夜、マンションで寝ているときに急患の連絡を受けたテンマ。

車を飛ばして病院へ向かう。

患者は10歳くらいの男の子

頭に銃弾を受けている。

テンマは自動車電話で病院に連絡を取り、

5分以内に着くこと、

救急車が着いた後の処置を指示する。

 


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運転しながらテンマは、エヴァを自宅まで送った時のことを思い出していた。

玄関先に車を止めたとき、父親のハイネマン院長が出てきた。

時間はエヴァの門限を過ぎていたが、ハイネマン院長は笑顔でテンマを中に招き入れる。

 

テンマとエヴァの結婚式について話し合う3人。

式は来年の4月。

テンマの父親は日本で小さな病院を経営していて、仕事が忙しく出席できるかどうかわからないと言う。

しかし病院はすでにテンマの兄が継いでいる。

招待するからご両親に来て貰いなさいというハイネマン院長。

 

お礼をいうテンマ。

院長にはこれまで本当にお世話になった。

三男坊のテンマは、

どこかの大学病院に潜り込めれはと思って研修医をしていたときに

院長の論文に感銘を受けて、

一念発起ドイツに来たのだった。

 

話は今テンマが取り掛かっている論文について。

テーマは” くも膜下出血後の脳血管攣縮 ”

もう少しでまとまるところだという。

  

しかし、院長はその研究はキャンセルしろという。

次のシンポジウムで自分が発表するための草案作成をテンマに申し付ける。

 

今日病院に ” 不正医療を糾弾する会 ”が来て困ったと院長が言う。

その中に先日のトルコ人女性もいた。

 

テンマは

” ウチの人返してよ!! ”とテンマの胸をたたき続けた女性を思い出す。

 

院長は、医者はボランティアではないという。

人の命を救う以前に、学究の徒。

個人的な感情にいちいち関わっていては医療の進歩が止まってしまう。

そこまで思い出して、テンマはハッとする。

もう少しで前の車に追突するところだった・・・

 

病院に到着したテンマ。

救急車はもう着いている。

頭に包帯を巻いた男の子が運び込まれる。

血圧は72/50

脈拍138。

銃弾は前頭部から。

 

するともう一人、女の子が運び込まれてきた。

男の子の双子の妹。

外傷はないが、精神的なショックが大きく、

目を見開いたまま小声で何かつぶやいている。

テンマが耳を近づけると・・・

「ころして・・」

と言っている。

 

男の子の頭部写真とCTスキャンが上がったので、テンマは読影室に急ぐ。

 

他の二人の医師と共に写真を見るテンマ。

弾は前頭部から入って、脳の最深部に達している。

テンマは

「これは難しいな。」

という、

銃弾が左中大脳動脈をかすめている。


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弾を少しでも動かしたら破裂して大出血する。

 

ここでDr.ベッカーが到着。

また例の看護師としけこんでいたのか。

平謝りのベッカー。

 

全員そろったところでテンマが手術の方針を言う。

両側前頭開頭し、骨片の除去、汚染脳の除去を行う。

そして最後に慎重に銃弾を摘出し、損傷血管形成。

「ちょっと時間がかかるけど、みんな頑張っていきましよう。」

 

手術室。

男の子の血圧は120/80

脈拍92

良好。

麻酔がかかった。

 

手術を始めようとしていると、外科部長が入って来た。

ローデッカー市長が脳血栓で倒れたという。

休養先の別荘で倒れて、今ヘリで運ばれている。

あと10分で到着する予定。

 

Dr.ボイアーに連絡を、というテンマ。

しかし外科部長はテンマに執刀術を命ずる。

これはハイネマン院長からのお達し。

テンマは電話を渡される。

院長から直接市長の執刀を命じられる。

助成金の件もあって、ローデッカー市長には生きてもらわなくてはならない。

 

テンマはいま取り掛かろうとしている男の子の手術の難しさを説明し、

自分にしかできないというが、却下される。

テンマは「Dr.ベッカーにまかせるのは・・・」

と言いかけたが聞いてもらえない。

 

市長を運ぶヘリが到着した。

医師たちが手術の準備を急ぐ。

しかしテンマは立ち止まったまま。

 

テンマは院長の言葉を思い出す。

” 医者はボランティアではない ”

” 人の命を救う前に学究の徒 ”

そしてエヴァの言葉

” 人の命は平等じゃないんだもの。”

そしてさらにトルコ人女性の

” ウチの人返してよ ”

と叫ぶ声が鮮明によみがえって来た・・

 

テンマの心は決まった。

市長の手術の準備を急ぐ医師たちに、

自分には別のオペがあるといって歩き出す。

 

院長の命令に背くテンマに医師たちは驚く。

しかしテンマは振り返ることなく男の子の待つオペ室へ歩いていった。

 

テンマは横たわっている男の子の前に立ち、手袋をはめる。

「大丈夫だ、頑張れ!!

僕が助けてやる!!」

一方、男の子の双子の妹は・・・

ずっと小声で

「ころして・・」

と呟いていた。

——2話ここまで。

モンスター 3話に続く

〇感想

テンマの実直さ、責任感の強さが描かれた回でした。

もしテンマが市長のオペをすることを選択していたら

後後自分を責めることになったでしょう。

でもこの選択が本当に良かったのかどうか・・

それはわかりません。

Dr.ベッカーが男の子の手術をしても奇跡的に成功したかもしれませんし・・

しかし院長命令を無視したことで、テンマの出世の道は完全に閉ざされてしまいました。


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