八郎達の子供時代。

今日も才蔵は皆とつるまず、一人で百目の訓練・・

 


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現の夢寐うつつと才蔵の目玉で大人八郎達はその時の子供才蔵を見ている。

子供才蔵の隣には大人才蔵がすわっている。

 

八郎が大人才蔵に話しかける。

お前の意識内・・

記憶の残滓とうことか、才蔵・・・

 

才蔵はにいっとわらう。

そんな大層なものではなく、現の幻術で俺の望みが具現化された仮初めの世界。

俺が何としてもお前に伝えねばならなかった運命の日だ。

 

場面は変わり巻物をしたためている若き日の響八郎。

そう、この日百目の訓練をしていた才蔵は偶然にも響八郎の密書から桜花の存在を知った。

才蔵
「八郎・・

今からお前が見るものは、俺が目を背けることも向き合う事も出来なかった・・・

あまりに残酷な現実だ。」

 

響八郎がしたためていた密書とは・・・

 

桜花の秘儀とその正体について。

服部響八郎が調べ、知り得た総てをここに記す。

来るべき日・・

八郎と響のために遺す。


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偽り続けてきたことのせめてもの贖罪として。

 

空海・・

八百年も昔、この国に存在した僧の名。

唐の国から真言密教を日本へと持ち帰った。

日本の仏教中興の祖ともいえる人物。

 

空海は密教と一緒にもう一つの秘術を大陸から持ち帰り、高野山に安置した。

それが胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅。

 

インドに端を発するこの二つの曼荼羅は、またの名を両界曼荼羅とも呼ぶ。

胎蔵は客体、金剛は主体の相克を成し、仏の属する浄土(せかい)と隣り合う並行した幾多の浄土(せかい)が宇宙には存在することを示す真理の図であったのだ。

 

我々が唯一無二と信じるこの宇宙(せかい)はその一つにすぎない。

また平行した宇宙(せかい)を移動する術はない。

ただ一つ、桜花を除いては。

 

かつて初代の忍、服部某は忍法として曼荼羅を研究し、矛眼術、盾眼術として後世に伝えたのであろう。

だが幸か不幸か、その力を瞳術として強く発現させ、この世を捻じ曲げてしまった者どもがいた。

その者どもこそが、弦之介と朧。

 

 

 

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