安田と徳永が喫茶店で話している。
安田の
まさかトクがナッツの運命を変えようとはな・・
の言葉で、徳永は夏之介と出会った頃を思い出す。
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それは夏之介がまだ高校1年生だった頃。
(グラゼニ3巻)
地元の英雄、徳永と会った夏之介少年は
徳永に好きな球団を聞かれて
” 文京モップス ”
と答える。
徳永がスパイダースの選手だという事はもちろん知っているだろう。
お世辞を言わない夏之介に、
プロ向きのいい根性している、と感じる徳永。
この時の徳永はプロ入り3年目のシーズンを終えたところ。
3年で27勝(3×9)。
来年は自分自身も、周囲も二けたを期待している。
しかし!
4年目のシーズン、徳永は先輩ローテに入れなかった。
まだ26歳。
落ちるには早いが・・
新戦力の加入やちょっとした不調でローテの枠からはじきだされてしまった。
リリーフに回された徳永は、おもにブルペンが仕事場になってしまった。
アマチュアを含めてほとんどリリーフをやったことがない徳永にとって、これは挫折だった。
そんなとき夏之介が肩を痛めてエースからリリーフになったことを風の便りに聞いた。
プロに行く素材だと思っていたが、難しくなったか。
—
ある試合で・・・
徳永は出番に備えてブルペンで投げていた。
その時、場内アナウンスで、鶴見川高校の生徒が紹介される。
オーロラビジョンに映っている。
(グラゼニ14巻のエピソード)
夏之介が来ているのかなと気になる徳永。
試合が終わって・・・
徳永は球場を引き上げる。
今日も出番なし。
ズキッ
肩に突然痛みが走る。
翌日、マネージャーの羽田と一緒に医者にいくと・・
しばらく肩を休ませた方がいいと診断された。
一軍登録抹消・・・
落ち込む徳永。
羽田と一緒に病院を出ると・・
そこはグランドで、高校生が野球の練習試合をしている。
ユニフォームをみると、鶴見川高校!
立ち止まって試合を見る二人。
徳永は夏之介を探すが、投げていない。
すると外周を走っていた夏之介と遭遇。
徳永が、何で走っているのか聞くと、
東京遠征3試合で出番なしだという。
徳永は、怪我のせいで試合に出られないと理解した。
徳永は羽田に夏之介を紹介する。
「コイツ、来年のドラフトの目玉になりますから、
覚えておいた方がいいですよ。
ボンダってゆーんです。」
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夏之介は徳永の言葉にちょっと面食らった様子。
しかし去り際、徳永に好きな球団を聞かれるとやっぱり
” 文京モップス ”と不敵な笑みを浮かべながら答える。
羽田も夏之介に興味を持った様子。
—
その後羽田はスカウト部長に昇進。
当然夏之介はリストアップされている。
安田が羽田の耳元で囁く、
「ナッツ絶対行きたい。」
徳永が気に掛けているという事で羽田も夏之介に注目している。
「3年の夏までにどこまで成長してくれるか?」
安田は
徳永の人を見る目は確かだという。
羽田もそれには同意する。
特に野球眼がいい。
将来は球界に残る人材かもしれない。
今は人生初の挫折を味わっているが・・・
羽田
「これをバネにまた先発に復帰してくれることを期待する。」
–
しかし徳永の怪我は長引く。
その年、さらに翌年に入っても2軍生活を余儀なくされた。
羽田はそんな徳永を励まし続けた。
「凡田を指名する。
コーハイに抜かれるな、センパイ!」
シーズン後半、徳永は1軍に復帰する。
ところがその時、高校3年の夏之介は評価を落としていた。
安田は夏之介に直接会って指名する気がないと伝えた。
徳永は羽田と会った時に、
夏之介を指名しないことを確認する。
答えない羽田。
徳永
「おれ・・・
山梨の後輩に負けるなってハッパかけられてたのに、
ちょっとさみしーっス。」
このとき羽田は徳永の妙に落胆した顔が気になる。
(おれはナッツのことよりもなぜか、トクに心を揺すられている・・!)
羽田は”人材”としての徳永に興味を持っていたのだった。
” トクの励みになる選手を獲っとくいうのもアリか??”
と考える羽田。
あの時の夏之介の顔が思い浮かんでいると、徳永に伝える。
好きな球団は文京モップスと答えた時の、あの不敵な笑み。
「あのふてぶてしさが、無性に気になって来た。
やっぱ指名のリストに復活させてみたくなった。」
——142話ここまで。
グラゼニ 東京ドーム編 143話に続く
〇感想
スカウトも奥が深い。
体力や技術的な面だけでなく、メンタル面もかなり重視されるんですね。
夏之介、ふてぶてしくてよかった・・
徳永と夏之介の関係性・・・
面白いですね。
しかもこれは夏之介の知らない所でしょうし・・
徳永も自分の人材としての評価が、夏之介の指名リスト復活をもたらしたとは思っていないでしょう。
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