水口秋子が授業で数学を教えている。

授業中も、良介に言った言葉

「誰かの用意したエスカレーターでは

人は幸福になれない。」

を思い出しては後悔している。

 


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言うんじゃなかった・・・

秋子としては、良介に逃げ道を示したつもりだったのだが・・・

立場的に言うべきではなかったし、

15歳の子にする話でもない。

そして何よりの後悔は、そこに私心が入っていたからだった。

自分が父親の用意したエスカレーターに乗ったこと・・・

職員室。

秋子に関して、生徒からクレームが来たと、教師同士で話している。

授業が怠惰だというものらしい。

寝たふりをして、実は聞いていた秋子。

秋子の父は昔から梁山高校のサッカー部の監督。

監督業に夢中になりすぎて家族を犠牲にしてきた。

秋子の母の葬式の時だって、ヨーロッパ遠征に行っていて、遅れてきた。

秋子はつかみかかりそうになったが、父はそのまま妻の棺へ。


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秋子はそんな父親が許せなかった。

 

父親は毎月、妻の命日には墓に花を手向ける。

母親も生前は秋子に、あの人を責めないでと言っていた。

秋子は母親の墓に手を合わせながら

「お母さん、なぜ・・・」

 

妻が亡くなった後も、監督のサッカー部に懸ける情熱は変わらなかった。

部活をやってもらえる手当なんて、せいぜい5000円。

なのにローンまで組んで荷物がたくさん載るワンボックスカーを買う。

水口家の家計はいつも赤字。

秋子
(この人は狂ってる・・

高校サッカーに取り憑かれている。)

職員室にいる秋子の元に、ある生徒が来る。

その生徒は秋子に、あるサッカー部の1年がいつも正門の鍵の開け閉めをしているという。

一体誰でしょうと言うクイズ。

秋子は、加藤一彦と答える。

あの子は練習の虫だから。

しかし不正解。

正解は、碇屋良介。

驚く秋子。

 

 

 

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