前回のあらすじ
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才蔵が相手にするのは夜叉。
しかし何度シミュレーションしても勝ちへの道筋が見えない。
しばらく考えたのちに
才蔵は夜叉に話しかける。
参った。
どうやら勝ち目はないらしい・・・
「オレと一つ賭けをしないか・・?」
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ここから28話
—
才蔵とは別の戦いも同時に進行していた。
滑婆 対 孔雀。
滑婆は忍法 ” 羽衣 ” で空中から孔雀を襲う。
空を舞い、獲物を狩る鷹が如く、四方より縦横に襲い来る滑空術。
滑婆は孔雀の腕を斬り落とした!
しかし孔雀の持つ魔術は ” 時の逆鉾 ”
時間を巻き戻して、腕も元通り。
滑婆
「はっ!
アンタ先祖にヒトデかトカゲでもおるんちゃうか?」
時間を逆流させることができる・・
いくら斬っても孔雀の時間だけ巻き戻って元通りになる。
忍者の常識を超えている。
それに・・
滑婆が腹立つのは、孔雀の目つき。
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まるで人の事を蟻とでも思っているような・・
「かかってこいや。」
といっても、気乗りしないから嫌だと言う。
弱い者を斬る趣味はないと。
側で見ていた根来ごろ寝。
その孔雀と言う男の気が乗らないのは、他に心に決めた相手がいるのだろうと言う。
ごろ寝の言う事は当たっていた。
孔雀は八郎以外と斬り合う気がしないのだ。
だが、孔雀が八郎と斬り合うことは成尋に禁じられていた。
理由は・・
八郎の行動原理は ” 愛 ”
ならば、仲間の忍を全員ころして八郎の ” 拠り所 ”を失わせるのがいい。
そして最後に残る八郎の最愛、響を利用すれば八郎を操るのはたやすい。
桜花を手に始まる、歴史の修正は目前に迫っている。
「お主も愛するもののため、夢中になりすぎる気がある。」
孔雀は成尋の耳元に口を近づけて・・
「私の最愛は成尋様のみにございまする。」
故に、甲賀八郎は決してころしませぬ。
成尋
「頼むぞ、お蘭。」
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