午後8時、天王寺区にある狩野家。

狩野の母親がテレビでニュースを見ている。

鬼頭の件をやっている。

鬼頭の運転していた車は軽自動車に衝突した模様。

そして軽自動車の運転手は腰の骨を折る重傷・・・

狩野母は信じられないといった表情で口に手を当てる。

 


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そして研志堂の外に設置されたテレビ局のカメラは研志堂から出てきた烏丸達三年生を捉えていた。

翌日午前8時半。

月光寮、研志堂。

部員全員を前に海宝コーチ、朝日出コーチ、寮監、部長が横に並んでいる。

皆下を向き、一言もしゃべらない。

ただ蝉の声だけがやかましい。

口を開いたのは海宝コーチ。

金川に身長を聞く。

金川、182センチです、と答える。

海宝コーチは

入学した時は170もなかったのに、大きなったな・・・

と頬杖をついたまま続ける。

海宝コーチ
「男は度胸。お前のためにあるような言葉や・・・」

ただのバーター入学だった金川。

その金川が日本一の投手に登り詰めた。

その過程では頂点も、どん底も経験した。

人としても幅が広がり、日に日に逞しくなっていった・・・

金川は問わず語りのように話す海宝コーチの言葉に泣きそうになる。

さらに海宝コーチは続ける。

いつも自分の本心を見せない金川。

しかしここぞという時はど派手な振る舞いで味方をも圧倒する・・・

でもみんな知っている。

本当は繊細で傷つきやすく、誰よりも愛情深い男だと・・・

そういう男が投げる一球一球には優しさが宿り、心が震え感動する。

「エースの中のエースや。」

金川はたまらず核心をを聞く。

海宝さん・・

自分たち・・・

甲子園に行けないんでしょうか・・・?

答えられない海宝コーチ。

部長も朝日出コーチも下を向いて震えている。

涙が止まらない3年生たち。

海宝コーチは烏丸に話しかける。

「烏丸学・・ええ名前つけてもろおたな、お前・・・」

感情表現が苦手で不器用。

昭和臭い口下手な男。

腹が立つほど謙虚で誠実・・・

婿にするならお前みたいのがいい。

体罰は絶対禁止の昨今、古い体質を改めて新しいDLを作ろうと大奮闘。


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その強い使命感と責任感にどれだけ苦しめられてきたか・・・

近畿大会決勝の打席でこぼした大粒の涙が、すべてを物語っていた。

まだ18歳。

無理をしてた。

主将の重圧に耐えてよくここまでDL野球部を引っ張って来てくれた。

「誰もが尊ぶ大将や・・・」

烏丸は涙が止まらない。

ここで藤巻が立ち上がる。

すでに処分が決まっているのなら、未来の為にも、すっぱりと希望を断ち切ってくれと、

まっすぐ海宝コーチを見て言う。

海宝コーチは下を向いて歯を食いしばって言う。

「可愛い息子たちに助けてと差し出された手を・・・

握ってやれへん己の無力さ・・・

しんだほうがマシや・・」

隣の朝日出コーチもやつれた顔を震わせている。

部長は涙を流しながら

「ごめんね、守ってやれなくて。」

そして髪の毛も髭もすべて剃ってしまった寮監は目を見開いて一言

「すまん・・・」

そろって部員達に頭を下げる4人。

「今夏の大会、出場を辞退する。

許してくれ。」

3年生たちは悲しさと悔しさで一杯の表情・・・

スタッフは引責辞任。

自粛期間や内容は学校側の判断になる。

狩野が立ち上がって叫ぶ。

3年生は何も悪くない、責任とるのは自分たち1年生だと。

「狩野!」

藤巻が立ち上がって狩野を止める。

そしてそのまま続ける。

「このままじゃしんでもしにきれへん・・・

3年の無念を晴らすためにも前へ進む。

オレは指導者としてここに残り、みんなを甲子園に連れて行く。」

——130話ここまで。

バトルスタディーズ 131話に続く

〇感想

わかってはいましたが・・・

悲しい、悲しすぎます。

怖い3年生、優しい3年生、強いきずなで結ばれている3年生。

そんな3年生たちの活躍を甲子園で見たかった。

ホントに鬼頭、何ちゅうことしてくれたんや・・・

 
寮監のスキンヘッドは衝撃的でした。

 
藤巻コーチですか・・

適任でしょうね。

コミュニケーションが丁寧だし、決して舐められない。

ただ野球に関しての知識がどの程度なのか未知数のような・・

もう一人コーチが必要かと思いますが、誰になるかな?


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