今日負けたら家族を失うと想像して登板した夏之介。
スポンサーリンク
初回表、味方に6点取ってもらったこともあり、1,2番連続三振の好調な出だし。
このホークスというチーム、打順に関係なく振り回して来る印象がある。
次の3番は輪をかけてアッパーに振ってくる。
夏之介がミスターアッパースイングと名付けた尾野。
いざ勝負!!
ツーアウトでランナーなし。
初球ストレート!
ブン
空振り!
夏之介
(しかしなんつー振り・・・)
子供の頃に倣った野球の基本に反している。
構えたグリップの位置からスッと振り下ろせと教わった。
そうすれば重力に逆らわないからスイングにスピードが出る。
しかしバットヘッドを一回下げて振り上げるようなアッパースウィングだと引力に逆らってスイングに鋭さがなくなる。
すると振り遅れる。
子供は特に振り出し時にグリップ位置が下がりがちだから
最短距離でボールを捉えさせるためにダウンスウィングを指導者は教える。
スポンサーリンク
しかしこの尾野というバッター、意図的にと思えるほど振り出し時にグリップを下げてアッパーに振ってくる。
絶対引力に逆らっている。
第3球・・
カン!
いい当たり。
レフト方向に引っ張って大ファール。
ボールとバットの軌道があっていないように見えてもちゃんとミートしてきた!
次の球も、その次も、さらにその次も同じ様に三塁側に大ファール。
しかも段々フェアグラウンドに近づいてきている!
1球もゴロのファールがない!
夏之介
(もうこの人・・・
ボールの下にバットを入れようとしているのがミエミエ。)
インパクトの瞬間は案外レベルなのだ。
でないとバットはボールの下に入らない。
そしてフォロースルーは思い切りアッパー!
これが極端なフライ打ちのフォーム・・
夏之介はバットを下に入れさせない作戦に出る。
ツーシームでシュートを投げる。
相手は右打者。
夏之介は左投げ。
シュートなら体から逃げていく軌道になる。
これならバットはボールの下に入らない!
次ページへ
スポンサーリンク