——

エンジン区画を切り離し、地球に向かって落下していく、せりかたちの乗る宇宙船・オリオン。
宇宙初飛行の終わりを迎え、せりかは何を思う・・・

——

風が吹いている

間近になった地球を見ながらのせりか
(地球って・・・
どんな感じだったっけ。
自分の体って・・・
どれくらい重かったかな・・・
よく思い出せない。
忘れた世界に帰るのってなんか・・・
初めて宇宙に向かう打ち上げの時に似てるような・・・・)

高速で落下する宇宙船をせりかや絵名の家族がNASAの管制室で見守っている。

せりかの母はせりかの父親の写真を膝の上に抱えている。

一方月ではムッタ達が自分たちのミッションをこなしていた。

タスクが一段落して、腕時計をチラッと見るムッタ。

”3時32分”

ムッタはブギーにCTV-28オリオンの現在の状況をたずねる。

ブギー
「ワカリマシタ」

オリオンは軌道離脱噴射を終えて着地まで18分であることを伝える。

うれしそうなムッタ。
「おお、そうかありがと。」

急にドキドキしてきたムッタ。

ムッタは両手を合わせて祈る。
(大丈夫大丈夫。
やさし~くフワ~ッと着地する・・・!)

ムッタの時計は3時35分。

そして窓から外を見ているせりか。

彼女の宇宙服にもムッタと同じ腕時計が掛けてある。

”3時35分”

窓の外にはプラズマの火花が流れる。

絵名
(見えた~~!
祝福の火花だ!)

オリオンは炎に包まれて高速で落下する。

NASA。

固唾を呑んで見守る家族たち。

オリオンは正しい角度で大気圏再突入。

パラシュートが開く。(第一段階)

せりか妹も姉の無事の帰還を祈る。

月面。

ブギーがパラシュート第一段階が無事開き、これから第2段階が開くことを告げる。

ムッタ達もブギーのモニターを食い入るように見つめている。

第2段階パラシュートも無事に開く。

その様子を日本で大画面モニターの前に集まっている友人たちも声援を送りながら見守る。


スポンサーリンク


その中にはハートコロッケの、たぶさんのすがたも。

荒野に着地寸前のオリオン。

せりか
(地面を踏むのは久しぶり。)

窓から空を見上げながら
(青空を見るのも久しぶり。
着地して、外に出たら地上の新鮮な空気で深呼吸したい。)

遂にその瞬間は来た。

ゴッ

宇宙船オリオン、着地!

空中で待機していたヘリが2機、近づく。

オリオンの周りは未だ砂煙が立っていてオリオンの様子が見えない。

不安がる家族たち。

せりかの時計は3時55分。

せりかと絵名はシートに座ったまま顔を見合わせる。

そして急に笑い出す。

「うわああーーー!
はははは!すっごい!」

「あはは、何今の衝撃!?」

他の船内のクルーたちも笑いながら管制室に通信。
「ハハハハ、ヒューストン!
CTV-28オリオン、着地成功だ!」

沸き上がる管制室内。

家族たちも満面の笑顔。

せりか妹「やったぁ!」

やがて宇宙船の扉が開き、日本人スタッフに「おかえり」と迎えられるせりかと絵名。

せりか&絵名
「ただいま!」

せりかの次の言葉
「うわ・・・舌が重い・・・」

ゆっくりと外に出て多くのスタッフや取材陣に迎えられるクルーたち。

せりか
(ただいま、みんな)

そして予定通り思い切り深呼吸をするせりか。

スタッフに両脇を抱えられて歩く。

そこに一陣の風が吹く。

せりか
(風だ・・・
風が吹いてる・・・!
ああ~地球だ・・・!)

——301話ここまで。

宇宙兄弟 302話に続く

〇感想

なにはともあれ、無事に着地してよかった。

あんなに名残惜しかった宇宙から帰ってきても、やっぱり地球はいいなと感じるんですね。
そりゃそうか。
旅行から帰ってきて
「やっぱりうちが一番。」
とつぶやいてしまうのと似てるかな。

苦境あり、そこからの実験成功ありの充実した宇宙のでミッションだったから、充実感もひとしおでしょう。

まずは家族と会って、ゆっくり休んでください。

日本に帰ったら友達と、たぶさんのハートコロッケが待っている!


スポンサーリンク