三ツ谷と別れて、二人で話すタケミチと千冬。
タケミチが千冬に話す。
「現代(みらい)に帰ろうと思んだ。」
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千冬は 何で?
と不思議そうに言う。
八戒はブラックドラゴンに入ってしまったし、何も達成できていないのに。
タケミチは、
八戒は大寿の暴力から柚葉を守る為に大寿をころしたのなら、
三ツ谷が大寿から柚葉を解放した今、八戒に大寿をころす理由はなくなった。
だから未来は変わっているんじゃないかと言うのだ。
千冬は少し考えてから話す。
それは確かにそうかもしれない。
しかし変わってなかった場合は困ったことになる。
未来のお前は獄中にいるはず。
それだとナオトと握手できないかもしれない。
つまり、いま未来に返ったら、もう戻って来れない可能性がある。
それではリスクが高すぎる。
「それに柚葉ちゃんを解放したのは三ツ谷君だ。
オマエじゃない。
オマエが何も変えていない以上、未来が変わってるワケないだろ?」
そこに八戒が来た。
2人を探していたようだ。
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八戒は
「俺がお礼言ってたって、タカちゃんに伝えてくれる?」
と言って、話し始めた。
「ウチの家庭複雑でさ・・・
父子家庭な上に、ガキの頃から親父はほとんど家にいなかった。
だから家庭を仕切ってたのは一番上の大寿だった。
あいつは子供の頃から ” 王 ” だった。
人より体がデカく、単純に力が強かったってのもあるけど、何より人の心を掴む術に長けていた。
取り巻きの奴らはみんな大寿に惚れていた。」
「大寿は暴力を使うのがうまかった。」
と話す八戒。
中途半端な暴力は振るわない。
やるならとことん。
それは柚葉や八戒に対しても同じだった。
—
八戒が小学生、大寿が中学生くらいの頃・・
大寿が八戒を立てなくなるまで殴った。
横たわっている八戒に大寿が話す。
「起きろ八戒。
オレはお前を殴りたいワケじゃない。
誰よりもオマエに目をかけて、誰よりも心を許している。
だから期待を裏切られた時に余計に辛いんだ。
愛してるぞ、八戒。」
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