青道野球部の全体会議。
渡辺が由良総合の2回戦(対中央杉内戦)について、ビデオを見せながら説明する。
スポンサーリンク
6回から出てきたエース東山が杉内打線を6人でピシャリ。
13対2で7回コールド。
「これで、初戦の相手は由良総合工科に決まりました。」
選手たちの顔が戦闘モードになる。
渡辺が続ける。
2試合連続のコールド勝ちで打線は勢いづいている。
スクイズにエンドラン。
ほとんどを1球で決めて、効率よく得点を挙げているのが印象的だった。
(点数は各回 1 0 2 2 3 1 4)
速球派エース東山と、この試合でも3打点を挙げた4番・千田。
警戒すべきはこの二人。
ただ、青道としては2試合分しっかり見ることができたので、打者の特徴は掴みやすくなった。
御幸
「あとで一人づつチェックだな。」
片岡監督
「サインプレーの成功率に、エースを押さえに回す継投策。
何より先に2勝を挙げ勢いがある。
決して油断できない相手だぞ。」
落合コーチ
(そして両チームの監督は師弟関係。
互いに手の内を知り尽くしている。)
片岡監督
「その上で・・
明後日の先発だが・・・
沢村。お前に任せる!」
沢村「はい!」
片岡監督
「二日後の4回戦は降谷、お前で行く。
それから川上に金田。
どこが相手だろうと初回からブルペンに入っておいてくれ。
負けたら終わりのトーナメントだ。
グラウンドにいる選手だけでなく、ベンチも常に最善の手を準備しておこう。」
スポンサーリンク
御幸は、
投手4人の役割をハッキリさせたのは、
それぞれに気持ちが作りやすくていい
と感じていた。
沢村は、片岡監督がノートに書いてくれたことを思い出していた。
” これまでやって来た事をマウンドで出してほしい ”
沢村は片岡監督の横顔を気合の入りまくった顔で見つめている。
そんな沢村を、横から心配そうに見ている落合コーチ。
(全国制覇への第一歩。
この夏の初陣。
はじめてのエースナンバーに、初めての先発。
初モノ尽くしの沢村先発が悪い方に転がらなければいいが・・・)
—
由良総合の部室では、榊監督が春大の青道-市大三高戦を見ていた。
知り合いから手に入れたらしい。
白龍との試合も手に入れたと言っている。
後ろから見ている野球部長(らしき人)が呆れる。
今日試合終わったばかりなのに、もう次の試合・・・
顔の広さもすごい・・
榊監督は話す。
4回戦も見たが、降谷はセンバツとは別人。
故障も考えられるが、調子を崩しているのは間違いない。
代わってエースになったのが沢村栄純。
去年の秋に見た時もいい投手だと思ったが、また違うレベルに成長している。
勝負に飢えている目がいい。
ただ、降谷が騒がれたセンバツから僅か3か月。
チームに急激な変化が起きたという事は、つけ入る隙も多いという事。
「疼いてきやがったぜ。
勝負師の血がよぉ・・・」
次ページへ
スポンサーリンク