現を失った涙は、無力でいることを拒絶する・・・
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回想・・
子供の頃から、涙にはみんなの間に境界線があった。
それは、皆と同じ様に戦う事が出来ないと隔たり。
「お主は戦う事はまかり成らぬ。」
ずっとそう言われて育った。
肉体を鍛え、技に研鑽を重ねるは忍のたしなみ。
しかし忍の極意は、戦う事に非ず。
唯々お役目を果たすこと。
その為に涙は無力でなければならなかった。
そして喰われる・・
その時こそ、涙の忍法は花開く。
猛毒の花となって。
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涙
「もう嫌だ。
もう・・・たくさん。
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もう・・無力でいるなんて御免だ。」
涙は遂に
忍法 ” 胡蝶 ”
を使う!
それは猛毒の蝶を無数に舞わせて相手を攻撃するもの。
しかし響には当然無効。
どんな能力も無効化する響の盾眼術。
蝶は響に届くことはなく、次々に畳に落ちて消えてゆく。
涙は、子供の頃楽しく遊んだ響を思い出す。
しかしその響が冷酷な目つきで涙を見下ろし、刀を振りかぶる。
涙
「響ちゃんがもう・・・
響ちゃんじゃないってこと、わかってるよ。
だから・・・」
その時ふすまが開いて滑婆が飛び込んできた!
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