DL球場・強化合宿最終日。(捕手特守)

朝日出コーチが狩野にノックしている。
(丸井がボール出し)

狩野がぶっ倒れているが、コーチの方もげっそりしている。

朝日出コーチ
「狩野ーー!
立て、コラー!!
失禁して心折れたか!?
お前の野心は所詮その程度け!?
悔しかったら立て、アホンダラア!!
ハエもたからんし人面さらしやがってボケェ!!」

狩野、起き上がって顔を上げる。

体中の水分が抜けて、頬がこけて目だけがぎょろっとしている。

しかしその目には闘志がみなぎっている。

餓鬼道をゆく。


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朝日出コーチ
「エェ生命力しとる・・
試合出たいんやろが!?
ころす気で向かってこい!!」

コーチはノックを続ける。

狩野は気合でボールに飛びつく!
「あ゛あ゛あ゛あ゛!」

一方投手陣はインターバルのランニング特訓。

檜が立ち上がれずにうずくまっている。

金川も天津も汗だくでやはり頬がこけてしまっている。

金川がうずくまっている檜を見下ろしながら喝を入れる。
「檜お前・・・
ころすぞコラッ
ついてこられへんねやったら寮帰れ、カス!!
邪魔じゃアホンダラ・・・
クズ相手する余裕ない!!
失せろボケぇ!!」

檜はうずくまったまま
「い・・・いいえ・・・」

と言うのが精いっぱい。

そして泣き出す檜。

その檜を隣で見ているのはライバルの阿比留。

阿比留は走ることなく、カウント係。

限界でもがいている檜を見て複雑な表情である。

阿比留
「28本目スタート。」

檜は金川、天津の後をフラフラとついていく・・

研志堂では、寮監が氷の塊をツルハシで割っていた。

寮監
「ほれ、さっさと1年水運べ。
氷は切らすなよ!!
生死をかけた最後の夏は一瞬の隙が命取り!!
満腹は油断を生み、五感を鈍らせる!!
勝利へ導くのは空腹や!!
豊かさを破壊し、飢えを育む!!
それが強化合宿じゃい!!」

大きなたらいに水を張って氷とドリンクを浮かべているのは南と阿比留。

ボロボロの3年生を見てショックを受けている様子の二人。


「ここまで追い込む必要ある?
まるで命投げ捨てて戦場に出る兵士。
狂気さえ感じる・・」

「何なんやろな?甲子園って・・・」

地獄ではいずり回る餓鬼のように描かれる夏のメンバーたち・・・

グランドの外で一人一輪車を押しているのは、最近ちょっと精神状態がおかしい鬼頭。
(・・・あんなに好きやったDLを・・・
こんなに嫌いになるなんて・・・
全部アイツ(親父)が悪いんや・・
オレの人生を台無しにしくさって・・・)


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その鬼頭に後ろから

「こんにちは。」

と声をかけたのはライターの九頭。

少し話を聞かせてくれという。

今は無理。とむげに断る鬼頭。
しかし、”高校野球ライター”ときいて少し考える。
そしてニヤリと笑い、

鬼頭
「ねぇ・・・
オモロイもん見せましょか?」

鬼頭の言うオモロイもんとは・・・

それはノート。

九頭は一人ベンチに腰掛けてノートを開く。

そこにはDL野球部の様々な禁止事項が書かれていた。

ウソつかない ケガしない ケンカしない・・

この辺はいいとして、

上級生に使える言葉は基本的に「はい」と「いいえ」
1年生同士の私語は原則禁止。
笑顔禁止、女見るのも禁止。
水は食事の時以外禁止。
3年生神様、2年生平民1年生奴隷。

この辺から九頭の顔色はみるみる変わっていった・・

午後5時。

「ありがとうございました!!」

地獄の強化合宿がついに終わり、メンバーたちはその場に倒れ込む。

「生きてる・・・」
「乗り切った・・・」
「ホンマに終わった?」
「・・・現実や。」

気を失う寸前のようなメンバーたちと対照的に汗一つかていないメンバー外の1年達。

狩野
「・・・頼む・・・
・・・ホンマ頼むわ。
ここまでやったんや・・・」

狩野の頬を涙がつたう。

「甲子園行かせてくれ」

午後6時30分。

広場では野球部全員が集まってバーベキュー大会が開かれようとしていた。

司会進行は藤巻香。
(手拭いをかぶってドジョウすくいの格好をしている)

藤巻
「炎の強化合宿お疲れしたっ!!
ただ今からお待ちかねDSNC(DLサマーナイトカーニバル)始めますっ!!」

金川
「そないにウケへんのに何を気に入ってんねんアイツ!」

古谷
「結局アレ3年間やりつづけてる。」

藤巻
「DL学園の全国制覇を願いまして!!
乾杯!!」

藤巻のドジョウすくいが始まる。

なんだかんだ言って結構盛り上がるDL野球部。

——125話ここまで。

バトルスタディーズ 126話に続く

〇感想

いいですね。
甲子園に向けての準備がこれで整いました。

地区予選がホントに楽しみです。

地獄の特訓に苦しんでいる3年生、狩野や檜を見ている1年達の複雑な、そして間違いなく悔しそうな表情が印象的でした。

九頭はノートをどう扱うのでしょう。

やっぱり記事にするのかな。

鬼頭みたいなやつはどこにでもいるけど、なまじ頭が切れるからやっかい。

ちなみにドジョウすくいの動画も載せておきました。

イメージだけでもお楽しみください


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