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新シリーズスタート!!
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前回最後で、ペルソナからの紹介状を持って、里帰り出産する妊婦さんが四宮のいる病院を訪れた。
今回はそこに至るいきさつ。
妊婦さんの名前は田島サエ。
現在12週。
実家の母親が電話で早く帰ってこいと言っている。
「サエは乳がんだったんだから。」
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休憩室でサクラとゴローがサエさんについて話す。
・サエさんは3年前に乳がんの手術をした。
・2年間はホルモン治療をしていた。
・乳がんの治療は人それぞれで、細かくオーダーメイドで決定する。
・手術、放射線治療、抗がん剤治療をその人に適した組み合わせで行う。
・彼女の乳がんは、初期治療として行った手術で全てきり取れた。
・切除したがん組織を調べると、女性ホルモンのエストロゲンに感受性のあるがんだった。
・感受性のあるがん細胞は、エストロゲンを栄養として大きくなる性質がある。
・それで彼女の場合、女性ホルモンを抑える薬を投与するホルモン治療だけ行っていた。
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・ホルモン治療は5年間行う予定で進められていた。
・手術は3年前なので後2年あるが・・・
サエさんは現在38歳。
ホルモン治療が終わる前にどうしても子供が欲しかったらしい。
・それで、乳腺外科の医師とご主人とで話し合って、2年間でホルモン治療を一旦ストップして妊娠にトライした。
・ホルモン治療を一旦終了して半年たってからの妊娠は問題ない。
・妊娠はホルモン治療後2か月以上空けることが条件
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サエさんの所に、お母さんからまたラインが来た。
内容は同じく、
” 早く帰って来なさい ”
サエさんも34週までは東京にいたいらしい。
夫のシュンは里帰り出産そのものに疑問を持っている。
理由は
・サエが普通の妊婦ではないという事
・妊娠中に急に体調が悪くなるかもしれない
・東京にいれば乳腺外科の先生にもすぐに診てもらえる
サエさん自身は実家で産みたいという。
お産の時も安心だし、産後も楽だから。
お母さんはシュンを説得しろと言ってきている。
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