桜木は小杉に東大専科のリスニング対策を受けさせないという。
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水野がその理由を聞くと、
桜木は、小杉を調査して分かったことだという。
小杉は難関大コース文系トップ。
東大合格の可能性は現在校内では誰よりも高い。
いわば金の卵。
事前に調査して万全の態勢を取って必ず東大に合格させる。
それで調査したという。
しかし桜木は、次の案件が控えていて時間がないから説明しないという。
ただ、一つのヒントをくれた。
受験の格言で
” 浮気性の受験生は落ちる ”
というのがある。
「その格言を元に田村先生と相談しろ。」
と言って桜木は帰って行った。
—
水野は田村先生の所に行き、桜木に言われたことを伝えた。
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田村先生も、その格言は知っていた。
浮気性とは、あれやこれや色んな教材に手を出す受験生のこと。
参考書や問題集を次々と買い替えたり塾を転々と移って腰が落ち着かない。
こういうタイプは大体受験に失敗すると言われている。
それをヒントに、小杉の指導を考えることにした二人。
田村先生の話では小杉は真面目な努力家。
参考書もあまり使わず、学校の授業を教科書を中心に勉強する子供。
塾にも通っていない。
小学3年の時に有名塾に通い始めたが合わないと感じて3か月でやめた。
それ以来塾には通っていないという。
水野は感心する。
それであの成績は凄い。
田村先生は、正真正銘の優等生だという。
どういうふうに教育すればあんないい子に育つのか・・・
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