第79回新虹社文藝大賞授賞式会場。
華は緊張しながら桃源先生のファンであることを伝えて挨拶する。
すると桃源先生の様子がおかしくなる。
榊華という名前に憶えがある様子。
榊の字が木へんに神だと分かると先生は華を抱きしめた!!
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華が抱きしめられて戸惑っていると、桃源先生がハッと我に返る。
そして華の目をじっと見る。
桃源先生の様子はやっぱりおかしい・・・
そして桃源先生は華に謝り、
体調が悪いといって帰って行った。
顔を見合わせる夏生と華。
—
翌日、夏生が桃源先生の家を訪れる。
鍵がかかっていないので勝手に上がる。
呼びかけても返事がない。
家の中は相変わらず散らかり放題。
年末に夏生が奇麗にしたのだが・・
足の踏み場がないので落ちている段ボールを踏みつけて歩いていると・・
ぐにゃっとなった!
何と桃源先生は段ボールにくるまって寝ていたのだ!!
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酔っぱらって寝落ちしたらしい・・・
桃源先生にお茶を出して、夏生は昨日の授賞式での事を聞く。
先生はやっぱり華先輩のことを知っていたのでは?
先生は人違いだと否定するが、
夏生は続ける。
名前の漢字まで確認していた。
それでも先生はお前にゃ関係ないといって話そうとしない。
夏生は関係なくないという。
「二人のこと知ってるからってだけじゃなくて、
あの時の先生は今まで見たことない、何か言いたそうな、すごく寂しそうな顔に見えたから。
なんか心配で・・・
俺に何か力になれることないかなって・・・」
桃源先生はやっと話し始めてくれた。
「会ったことはない。
名前を聞いたとき、心臓が止まるかと思った。
あれは俺の娘だ。」
驚く夏生。
桃源先生は続ける。
「血縁上はな。
こんなでも、昔は妻子がいたんだよ。」
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