深い霧の中、心は逃げる加藤を追う!
ドサッ
心は転んだ。
そこには1匹のアゲハ蝶がとんでいる。
加藤みきおはもういなかった。
スポンサーリンク
霧が晴れて来た。
周囲を見回すと・・・
あたりの景色は一変していた。
セミが鳴いている。
竿竹売りの軽トラが通りかかる。
スマホを見ると・・・
バッテリーは切れたまま。
加藤に刺された腹からは血が出ている。
心は脇腹を押さえながら歩く。
(まさかまた・・・・!
タイムスリップしたのか・・・!!)
歩いている心。
意識がもうろうとしてきた。
(ここ・・・どこだ・・・?)
わき腹からの出血が止まらない!
ついに心は倒れて意識を失う。
そこに二人の長靴をはいた男が駆け付けて心に声をかける。
「大丈夫か・・!オイ!」
救急車を呼んでくれた。
—
心は病院のベッドの中。
夢の中で、
小学校で子供たちが飲み物を吐き出して次々に倒れる。
スポンサーリンク
事件を止められなかったと悔やむ。
そしてさつき先生の目玉をくり抜いて加藤みきおが心に向かって笑顔で差し出す。
「また会えたね、心先生。」
ここで心は目を覚ました。
ベッドの横には制服を着た父・佐野文吾。
「大丈夫か?
1週間近くずっと眠ってたんだぞ。
心さんが倒れているところを村の人が発見した。」
心の口から思わず出た言葉が
「と・・父さん・・」
今日の日付を聞く。
佐野が答える。
1989年6月20日。
ここは隣町の病院だ。
6月20日!!
心は寝ている場合ではない!
ベッドから起き出そうとするが、傷が痛んで無理。
とりあえず父と話をすることに。
佐野
「心配したぞ。
心さんがいなくなって。
今までどこにいた?」
心
「本当のこと言って・・・
信じてくれますか?」
ここで佐野は心にスマホを返す。
佐野
「内容による。」
次ページへ
スポンサーリンク