徳永は二軍監督の湯浅裕二に呼ばれている。
湯浅二軍監督は印西をイースタンの試合に出したいという。
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それには徳永が反対する。
今イースタンの試合に出したら印西は終わってしまうから。
湯浅監督は、徳永と印西が二人で話して登板日を決めろと言う。
これ以上印西を塩漬けにはできない。
—
監督室を出てから徳永は考える。
今まで前任者の浦田ピッチングコーチが印西を試合に投げさせなかったのは半分親心。
1軍選手の印西が2軍の選手に打ち込まれたらショックを受けるだろうから・・
徳永はその足で印西の元へ行った。
印西は可能な限り早く投げたいと言う。
登板日はあっさり決まった。
徳永は印西に言えなかった。
2段モーションにして球の伸びは出てきたが、かえって打ち頃になってしまったことを。
しかし元に戻したところで元に戻るだけ。
1軍に戻ったらまためった打ちにあう。
行くも戻るもダメ。
それが今の印西。
徳永の心に監督の
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” 印西はトシに勝てるのか?”
という言葉が重くのしかかる。
35歳の印西。
ここまでプロ野球にしがみついてきたが、けっして才能に恵まれたわけではなかった。
大卒で入団して、少しずつ成績を上げて来た。
そして去年、34歳でキャリアハイの9勝8敗。
年俸も今年の5千万が最高。
頑張ってやって来たがこの才能だと35歳というトシに負ける。
むしろ35歳までよくやって来たといえる。
徳永はブルペンへ行き、夏之介が投げている打席に立ってみる。
今日も二段モーションで投げる夏之介。
夏之介の球を見て徳永が驚く!
印西のボールとは明らかに違う!!
夏之介は今年33歳。
徳永はトシを感じる瞬間はあるかと聞いた。
夏之介は少し考えて
一応感じていないつもりです
とやや照れながら答えた。
徳永
「うむ・・
そりゃそーだろな。」
33歳と35歳の微妙な違い。
夏之介はまだギリギリ復活できる年齢と感じた徳永。
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