甲子園直前、花本の乱!

 

8月2日

選手登録は明日の抽選会がリミット。

 


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監督室。

指を骨折した長野と藤巻監督が話している最中、誰かがドアをノックした。

ソロっと顔を出したのはほっぺのふくらみが片方だけになった花本。

 

花本はきちんと挨拶をするが、藤巻は取り込み中だと言って厳しい視線を向ける。

一瞬怯む花本だが意を決して話す。

「じゅ・・・

準備は出来てます・・

も・・もし・・・

もし長野さんが使いもんにならなかったら・・!

ボクをメンバーに入れて下さい!!」

 

うずくまったまま聞いていた長野がブチギレた!

 

花本の髪を掴んで仰向けに引きずり倒し、花本の顔面に涙と鼻水を垂らしながら睨みつける!

「クソハイエナが・・」

 

ここまで来て花本も引き返せない。

花本も涙を浮かべて叫ぶ。

「ボクだって・・・

人生かけてやってるもん!!」

 

この時花本のほっぺたのふくらみが完全に消えた・・・

 

長野は泣きながら監督室を出て行った。

藤巻監督は頭を抱える。

「火に油!!」

 

 

月光寮のそばを流れる糸恋川のほとりに腰を下ろして花本は監督に直訴したことを狩野に話す。


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狩野はスパイクを磨きながら聞いている。

花本は言う。

タイミングと言葉のチョイスはミスしたが後悔はしていないと。

そして狩野に自分は間違っていないかと確認する。

 

狩野
「九九も分数もでけへんアホンダラに答え求めんな。」

 

狩野は自分も花本と同じ行動をとっただろうと話す。

でもやっぱり長野さんの気持ち考えたらキツい・・・

 

狩野
「あの人のことや・・・

たぶんメンバーは降りはる・・・

正解にしてまえ。

甲子園で打って守って走って跳んで

呆れて笑てまうぐらい活躍したら

5年後間違いなく長野さんは言う・・

あの悔しい経験が自分を成長させてくれたって・・・

長野さんは強いから・・」

 

狩野はかつて研志堂で長野が甲子園の素晴らしさを語ったのを思い出す。

内臓振るわす大歓声に

空を支配する灼熱の太陽

気まぐれなそよ風が灼けた肌にキスをする・・・

 

甲子園のために全てを捧げてきた。

そう話す長野の声は震えていた・・・

 

長野の言葉を思い出して狩野はまた辛くなるのだった。

しかし人生をかけて野球をしているのは花本も同じ。

自分の感情を押し殺して3年生に花道を譲るなんてことは自分にはできないと、目に涙をためて話す。

 

 

 

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