水曜の夜、哲雄は零花の部屋で思案中。
離婚届をもらってきたもののどう切り出したものか考えているのだ。
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零花がバイトから戻ってくるまでに歌仙に伝えようとは思うのだが・・
歌仙との出会いは25年前。
哲雄がガソリンスタンドでワンオペの仕事をしていた時に歌仙は大正時代のようなはかま姿で家から逃げてきたのだった。
結婚してから喧嘩はしたが、離婚の危機は一度もなかった。
電話で離婚を切り出す勇気がなかなか出ない。
日曜に歌仙が交渉のために実家に戻って以来、
「大変な目に遭ってたりしないよね?」
という電話を毎日している。
そして今日も電話する。
歌仙の
「零花ちゃんをよろしくね。」
という言葉がかすかにふるえている。
歌仙は、交渉はもう少しかかると言うが、
本当は交渉は終わっていた。
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歌仙は白装束を着て鳥栖家の親族と一緒に滝のそばにいる。
歌仙はもう哲雄や零花の元へは戻れないのだ。
歌仙の様子が今までと違う事が気になった哲雄は自分もそっちに行こうかというが、歌仙が断る。
哲雄が来ると話がこじれるというのがその理由。
電話を切った後、哲雄は歌仙に断られたことに驚いた。
決して大丈夫ではないことを悟る。
歌仙の母は娘に
「毎日電話をかけてくるなんて律儀な男だね。
歌仙はもう戻らないというのに。」
という。
そして 毒抜き の続き。
歌仙は白装束で滝に打たれながら
日の出とともに起き、日の出と共に眠り、
自然食品を食べ、
文明人を信用せず
物欲に溺れず
親を敬い
オガミメに従い
正しい日本人として生きていくことを誓う。
これを複数回・・・
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