安元刑事が哲雄との電話を終えて事務所を出ようとしたときに薬師寺が呼びに来た。
捕まっている半グレの一人が安元に話があるというのだ。
安元は取調室へ向かう。
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向かいながら安元は向井という若者のことを思い出す。
非行少年だった向井に、安元が世話をして定時制高校に通わせたりしたが・・
11年前に反社絡みのガサ入れで再会した時にはヤクザになっていた。
その時向井は執行猶予中で、捕まれば実刑は免れない。
向井は、自分の組織と敵対している講談組の情報を流すから不起訴にしてくれないかと持ち掛けてきた。
その日を境に向井は安元のエスとしてヤクザ内部の情報をおろすようになった。
そして1年後、安元は向井から初めて窪の名前を聞いた。
間野会が雇った殺し屋ということ以外ははっきりしないが・・
間野会と敵対する組の構成員に行方不明者が何人も出ている。
目撃者も事件の痕跡も何もない。
だから本当に誰かに消されているのか、
消されているとしても、
一人で動いているのか複数なのかもわかっていない。
ただ窪というコードネームだけが独り歩きしているような状態だった。
その後数年はいるのかいないのかすらわからないまま散発的に抗争中の組に行方不明者が出ていた。
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そして6年前、向井が窪の情報を掴んだというので安元と会う約束をしたのだが・・
約束の場所に向井は現れなかった。
向井も突然行方不明になった。
自分の情報で窪が逮捕されたら自分も少しはマシになれるかななどと言っていたのに・・・
約束の場所に向かう途中、安元は窪とすれ違っていた。
窪の出す異様な雰囲気に安元は振り返るが、それが窪だとは気づくはずもなかった。
向井が行方不明になっても向井の組織は探そうとしない。
安元が組の事務所に出向き、何故探さないのかと組長の襟元を掴んで詰め寄るも
組長はそんな時代じゃないの一言で片づけてしまう。
こいつらはクズだ・・・
安元はそう思った。
しかしそれ以上はどうしようもない。
自分が何としても捜しだすと心に誓ったのだった・・
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もう少しで窪まで辿り着く・・・
窪を捕まえたら向井の遺体を埋めた場所をを聞き出して供養すると
心の中で向井に話しかけながら安元は取調室に入っていった。
そこには緊張した面持ちの若い半グレが座っていた。
「話って何だ?」
と安元が話しかけてもその半グレは口ごもる。
そしてカメラの位置を確認。
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話の冒頭から死亡フラグが始まっていたので、嫌な予感がしてましたが、案の定、殺されてしまいましたね。
しかも内通者が薬師寺とは…
薬師寺が内通者とは以前に予想していましたが、今までの話から良い奴だと思って半信半疑でしたが、本当に内通者だったとは。
安元が殺される時、薬師寺は汗を出していて難しそうな表情をしていたので多少の罪悪感があったんでしょうか。
それとも根っからの悪人なのか、または弱みでも握られているのか、色々と想像してしまいました。
それにしてもよく考えたら窪って警察には顔も割れていないんですよね。
やっぱり凄い有能なんだなあ。
薬師寺の表情を見返してみましたが・・
根っからの悪人とも、弱みを握られていて仕方なくとも取れるものでした。
76話とのつながりから言うと後者の方が納得は出来ますね。
薬師寺の過去エピとか、人物像の描写がもう少し欲しいです。
今回の話で窪という人物の謎が更に深まりました。
窪の過去ももっと知りたいですが、それは少しずつでしょうね。