哲雄が大学2年の時、歌仙は村を出て同じ大学に入学した。

そして演劇部に哲雄を訪ねてきた。

 


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哲雄が驚いて、よく許してもらえたねと言うと・・・

哲雄の推理小説に出てきた犯人のやり方をまねたと歌仙は言う。

 

しかし小説のように殺すのではなく、殺すぞと脅したり

家を燃やすぞと脅したり

大事な道具も燃やすぞと脅したり・・

卒業したら村に戻ることを条件に、4年間だけ自由にさせてもらったのだ。

 

哲雄はそこまでの強い意志をもって小説を書いたわけではないし、歌仙に渡したわけではない。

しかし彼女にとっては唯一読める小説で、それがバイブルと化してしまった。

 

しかも、探偵ではなく犯人に感情移入したところも驚いた。

歌仙は

”殺人で目的を叶えようとした人の物語 ”

と評した。

 

確かに、視点を変えればミステリー小説にはそういう見方もできるのは確か。

それは哲雄が気付かなかった視点。


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法律や倫理の下では気づかない。

 

哲雄の心配は・・

彼女が大学生活を送れるのかという事。

何しろずっと村で生活していて外の常識を全く知らないから・・

 

演劇部への入部を許してもらい・・

演者希望なので演技テストを受ける。

 

彼女の演技は上手かった。

そこにいる全員が息をのむほどに。

 

歌仙は家庭の都合で子供の頃から色んな人の役をやってきたからと説明する。

 

周りは勝手に親も俳優なのかと勘違いしたが・・

カルト教団の仕事でイタコのようなことを演技でずっとやってきた事を哲雄は聞いていた。

 

入部した歌仙は、すぐに皆と打ち解けた。

演技も上手いし、美人だし、素直だしで誰からも好かれた。

 

やがて哲雄が誘われない飲み会にも歌仙だけが誘われるようになった。

哲雄の心配は杞憂だった。

歌仙は独力で外の世界を学んでいく強さがあった。

 

 

 

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