8月21日、晴れ。

第二試合はDL-横羽間。

横羽間の守備練習が始まった。

 


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北条の守備にDLのメンバーはビビる。

前進守備のセンターから、ボールを捕ってホームまで2.78秒。

これはプロの数字。

 

DLも横羽間も、外野手の返球時間は平均3.0秒。

走者は大体0.1秒で70cm進む。

だから0.3秒の差は2.1mの差なのだ。

 

チーム打率、打点、本塁打、防御率など、

ここまでのデータは横羽間がほぼすべて上回っている。

どうやって戦ったものかと、マリオたちは頭を抱える。

 

その一方で、スタメンを外された狩野はベンチの隅にうずくまって泣きじゃくっている。

マリオたちに

「オレおらな横羽間倒されへんで!!」

と訴えるもその姿に信楽兄弟はため息をつく。

「オレらが引退したら・・

DLも終わりやな・・」

 

藤巻が選手たちを集めて話す。

この試合、経験、実績、能力全てが上回る横羽間が99パーセント勝つと、鼻をほじりながら断言する。


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ただし、それは普通に戦えば。

 

藤巻は中一の時に飼っていたマメシバのコテツ話をしだす。

可愛くて可愛くて父親のスマホで毎日50枚は写真を撮っていたという。

 

やがて犬だらけのカメラロールに嫌気がさした父親から

コテツ撮り禁止令が出た。

 

藤巻が凹んでいると、母親が使い捨てカメラを渡してくれた。

無限に取れて撮り直しが聞くスマホと違って、使い捨てカメラは一発勝負の27枚。

撮る前に構図と光を考えなくてはならない。

どアップ、下から、逆さから・・

など色々試して撮った写真を現像すると、

それはそれはいい写真ばかりで最高の写真が撮れていたという。

 

つまり、藤巻が言いたいのは

制限されることで創意工夫が生まれ、質と熱が増すという事。

 

普通にやればほぼ負け確定のこの試合。

しかし一つ一つのプレーの精度が上がれば必ず勝機が見えてくる。

 

 

 

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