心には年の離れた姉と兄がいる。

12歳上の鈴と6歳上の慎吾である。

 


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姉はいつも呪われた運命だと言っていた。

 

10歳まで姉の鼻の下には大きなほくろがあった。

そのせいでクラスの男子からからかわれることがあったので10歳の時の手術で除去した。

しかし皮肉にも次の年に凍傷で顔に大きな痣ができてそれ以来お化けと言われ続けた。

つまり運命は変わらないと。

そしてその年、あの事件が起きた・・・

 

 

吹雪の中佐野が千夏を連れているのを見かけた心は追いかける。

しかし視界が悪く、すぐに見失ってしまった。

 

由紀のノートには、千夏は1989年の1月7日、パラコートを誤飲して自宅倉庫前で千夏が倒れているところを姉の明音が発見したとの切り抜きが貼ってあった。

3月には明音が行方不明になると書いていある。

これが音臼小無差別殺人事件と関係があるのか、心は疑問に思う。

 

まさかこれも全部佐野の犯行なのか?

そう思った心は急いで佐野と千夏を探そうとするが

吹雪に加えて夕方で暗くなってきたので視界はかなり悪い。

 

その時に30歳くらいの子連れの女性が声をかけてきた。

吹雪の中薄着で立ちつくしている心を心配している。

 


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話しているうちにその女性は心の母親で子供は兄だとわかった。

心は驚くが名乗り出るわけにもいかない。

 

心の知っている母親はいつも眉間にしわを寄せているような人だったが、

目の前にいる事件前の母親は明るく、表情も優しい。

 

二人は病院へ向かい、心もついて行くことに。

病院では鈴がすでにベッドから出て元気になっていた。

顔に大きな絆創膏が貼ってあるのが気になる。

 

院長と談笑する母親はまるで別人だ。

2017年の年老いた母を思い出すと、ミクの顔が浮かんできた。

早く会いたいと心は願う。

 

時刻は17:20.

外は暗くなってきた。

 

鈴は心に助けてもらったお礼を言う。

絆創膏が気になる心は顔を見せてくれるように鈴に頼む。

 

鈴は絆創膏を外して見せてくれた。

少し赤くなっているが、軽いしもやけですぐに治るそうだ。

 

過去が変わった・・

この事実に心は驚く。

過去を変えられるなら千夏の誤飲事故も防ぐことができるのではないか。

そう考えた心の表情に希望の色がうかぶ。

 

その時外から

「三島さん、三島さん!」

と叫ぶ声が聞こえた。

 

慌てて出てみると佐野が倒れた千夏を抱えている。

佐野
「千夏ちゃんの意識がない!」

 

 


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