ETU 2-1 大分

後半の中盤

なかなか試合展開に頭がついていかない椿だが・・

 


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ボールが来れば体は勝手に反応する。

椿は何となくやれそうな気がしてきた。

似たような感覚が過去にあったことを思い出した。

それは自分がまだ少年だった、一人でボールを蹴り始めた時の感覚と気持ち。

 

 

椿が小学生だった時。

中学校でバレーボールの試合をしている姉・陽子の応援に父親と行った。

 

その時グラウンドでサッカーの練習をしている中学生の動きを見て色々なボールの蹴り方があることを学んだ。

 

その日から椿は一人で空地の塀に向かってサッカーボールを蹴るようになった。

あれこれ蹴り方を試し、確実に上達していく感じが楽しかった。

中学生たちの中でプレーしている自分を想像してみる。

 

椿がいつものように空き地で壁打ちしていると陽子がバレーボールをもって現れた。

「軽く相手してよ。足でいいよ。」

そう言って陽子はいきなり椿に向かってアタックを打ってきた!

 

椿は足で受けてボールは陽子のもとへ返った。

 

「もいっちょ!」

 


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陽子の強いアタックを今度は跳ね返らないようにトラップしようとするがなかなか難しい。

バレーボールだから当然だ。

 

陽子は次にサッカーボールをアタック!

 

タッ

 

椿は見事に足の上でボールを止めて見せ、軽やかにリフティング。

それを見て陽子は驚く。

 

陽子は弟にサッカーは好きかと尋ねる。

椿は恥ずかしそうにただ遊んでいるだけだと話すが・・

陽子はいつもここでボールを蹴っていることは前から知っていたと言う。

 

本当は足も速いし、こうやってボールを蹴るのも上手い。

それを人前で出せば人気者になれそうなのにと姉は残念そうに呟く。

 

椿は自分は引っ込み思案で、人前だと緊張してうまくできないとうつむいて話す。

 

そんな弟をもどかしそうに見ながら陽子は

「あんた、サッカーやりなよ。」

と背中を押す。

「あたし、あんたよりボール蹴るの上手い人見たことないよ。」

 

椿は驚いて陽子を見る。

 

多分中学校のサッカー部でもそこまで上手くボールを扱える人はいないと陽子は言う。

「大介、多分あんたすごいよ。」

 

思いもよらない姉の言葉に椿は驚く。

 

 

 

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