ETU 2-1 大分

後半の中盤

ボールが来ると身体は反応するが

頭がなかなか試合展開についていかない椿だが

少年時代の気持ちがよみがえる

 


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椿の回想。

通っていた小学校が廃校になる際、

競技大会はサッカーがいいと提案し

仲間や先生たちにサッカーを教えた時のことを思い出す。

 

簡単なフォーメーションなどを説明するとみんなが喜び

先生たちは褒めてくれた。

 

子供のころ、そのことが練習をする大きなモチベーションになっていた。

自分がもっと上手くなり、みんなが楽しめる方法を考えることに喜びを感じていた。

 

中学に上がってサッカー部に入り、プロになりたいと言ったときは

調子に乗るなと先輩から怒られた。

 

怖い先輩たちに囲まれると緊張して上手くプレーできなかった。

その時は姉の言葉を思い出して

緊張しても上手くプレーできるように練習を積んだ。

 

それだけじゃなく先輩達のプレーに合わせた、チームメイトを活かせる形をいかにして作るか、それを考えていた。

小学校のときのように皆から必要とされたくて。

あの時の気持ちを思い出すといくらでも頑張れるのだった。

 

そして今、プロとしてピッチを走っている椿は

これまでずっとチキンな自分を変えたくて

周りの人とつながりたくてボールを蹴ってきたのだと思い出す。


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まるであの時間が今の自分の足を動かしているように感じる。

 

 

大分ベンチではコーチが椿の動きのぎこちなさに気づいた。

ボールを持った時の動きはキレがあるが

守備のときのポジショニングがあいまいだと小松監督に進言する。

 

監督はそのことを選手たちに伝える。

 

大分の選手は椿をドリブルで抜く!

しかしそこは世良がカバーして相手の動きを止める。

 

これを見た松ちゃんはやっぱり椿が不安だと達海にうったえる。

 

しかし達海は動じない。

代表として日本中を敵に回すようなプレーをしたのに、

こうしてレベルの高い1部リーグのピッチでプレーしているのはすごいこと。

 

ビビりの椿が、誰でも逃げたくなるような舞台に自ら戻ってきた。

「そうさせたのは・・

ずっとボールを蹴ってきたあいつ自身の肉体だよ。」

 

松ちゃんはちょっと意味が分からないようだ。

 

達海は続ける。

肉体が、身体がボールを蹴りたがったのだと。

「結局、くじけた人間を本当に復活させられるのは

頑張ってきた本人しかいねえんだ。」

 

この時だった。

 

椿(あ・・)

 

椿の視界が一気に開けた。

ピッチ上の隅々までを五感が捉えているあの感じ。

(戻った・・)

 

 

 

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