DL学園対日難学園の決勝戦!
DL 6-7 日難
9回表 DLの攻撃
ノーアウト1,2塁でバッター狩野。
打席に入るとき審判にツーストライクから初めてと変なお願いをした。
そしてわざとノーボールツーストライクにするかのように2球見送った。
3球目。
狩野に一番投げたい球を投げろと言われたサウスポー投手が左打席の狩野を打ち取るべく投げた球はスライダー!
絶好調の狩野は球がよく見えている。
にやりと笑う。
高校野球生活872日。
まさに激動の日々だった。
その中で自分は優しくなれたのかと自問する。
完璧を演じたこともあった。
しかしそんなものはハリボテだ。
不完全な自分を愛そうとしたがそれも無理だった。
未熟な自分を・・
等身大の自分を受け入れられるようになるのに要した日数が872日。
この闘いの日々で一体何を得られたのか。
それはわからない。
そんなことはどうでもいい。
自分がやりたいことは野球を始めてから常に一つだった。
白い球を誰よりも遠くへ飛ばしたい。
その思いが自分を明日へ運んでくれる。
3年間、いや野球人生の思いを込めた一振りは白球を真芯で捉えた。
〇感想
狩野の甲子園最後の打席。
狩野が高校野球生活を振り返るモノローグのみの回となりました。
人にやさしくありたい・・
これは一貫した狩野の生きざまでした。
入学当初逃げ出した丸井を無理に連れ戻そうとはせず戻ってきた丸井を普通に受け入れました。
優しさとは何かを常に問い続けた3年間でもありました。
2年でキャプテンとなり未熟な自分がどうあるべきかともがき苦しみました。
結局答えは出ず、未熟な自分を受け入れるしかなかった。
暗中模索の3年間だったと言えますが一つだけ変らない明確な目標?いや欲望がありました。
白球を誰よりも遠くに飛ばしたい・・
その思いを最後の一コマに全部乗せました。
球を見送る半透明の狩野のシルエットがかっこよくもあり切なくもありました。
ピッチャーは一番投げたい球をと言われてスライダーを投げ込みました。
しかし少し高めに浮いてしまいました。
狩野のバットは芯でとらえボールはいい角度で青い空に吸い込まれていきました。
おそらくホームラン。
だとすると9-7とDL2点リードとなります。
まだノーアウト。
これ以上離されると日難としては非常に苦しくなります。
ピッチャーは後続を抑えることができるでしょうか。
