準々決勝の第一試合、満附対花忠社は9回表満附の攻撃。

ツーアウト1塁でバッター針生。

 

針生の名がアナウンスされるとスタンドは地鳴りのようにどよめく。

 

1年の鬼頭が初めての経験でやや飲まれ気味。

砂金がくしゃみをしながら甲子園の地鳴りはこんなものじゃないと声をかける。

 

砂金は血はたぎっているがリラックスしていると言う。

今年が最後だから開き直っているのだ。

 

砂金に勝ちたいかと聞かれて鬼頭は

絶対に勝って兄を甲子園に連れて行くと語気を強めて答える。

 

サードの雨谷はピッチャー糸巻に対し、四球覚悟でボールを低めに集めてホームランだけは絶対に避けろと言う。

 

糸巻は何をそんなにイライラしていると返す。

 

雨谷は先ほどのベンチでの砂金との会話で

勝ちにこだわることを否定されたように感じて苛立っているのだ。

雨谷は何が何でも甲子園に行きたい。

 

バッターボックスに向かう針生は呑気にセミを捕まえている。

村主は相手バッテリーはまともに勝負してこないだろうから

甘い球は絶対に逃さないでと声をかける。

 

針生はセミの一生を語り始める。

クマゼミは2~5年の幼虫期を土中で過ごす。

その間、モグラなどの餌食になる個体も多く、

更に地上に出たら出たで羽化する前に鳥に食べられてしまう。

こうして成虫になれたセミは運か実力かと村主に問う。

 

「両方」

という村主の答えを聞き、針生はハードボイルドと呟いてセミを放す。

 

針生は打席に入る。

 

糸巻は徹底的に低めを攻める。

そしてフルカウントに。

 

針生は審判にストライクの元々の意味を問う。

答えはいい球、打て(strike!)

ボールは 不当なボール

つまり打つなと言うこと。

 

フルカウントから糸巻が投げたボールはベースの手前でワンバウンド!

手を出してはいけないボールだが針生がフルスウィングしたバットが真芯で捉えた!

 

〇感想

 

ぎょえー!

信じられない悪球打ちですが見事に芯でとらえています。

しかし流石にファールでしょう。

ポールギリギリの特大ファールと推測します。

次回は開き直った糸巻と針生の真っ向勝負!

が見たい・・